〈ナラティヴ〉と〈ディスクール〉はどう違うのか?

〈物語〉と〈言説〉といっただけでは判らない、その違い。実はこれ、僕の専門分野です(笑)
平中悠一 2025.01.04
読者限定

第1次トランプ政権からアメリカのニュースで「ナラティヴ」ということばをやたら耳にするようになりました。

同時に用いられた「フェイク・ニュース」や「オルタナティヴ・ファクト」などと並んで、もはや「時事英語」、「実用英語」の語彙として、この単語「ナラティヴ」の意味が判らなければ、ニュース記事が読めない、というようなことにもなっているでしょう(笑)

日本では、この「ナラティヴ」を「物語」程度に考えて済ませている人が多い、と思います。なぜかというと、この「ナラティヴ」という英語を日本に紹介している人たちが、ジャーナリスト、英語やアメリカ学、政治経済の専門家で、これまでこの「ナラティヴ」ということば、概念について、深く考えてきていないし、専門外で、先行研究を知らないからです(笑)

この記事は無料で続きを読めます

続きは、5462文字あります。

すでに登録された方はこちら

読者限定
『ユリイカ』大貫妙子原稿と、今年の締めくくり。
読者限定
どうして「恋人〝が〟サンタクロース」なのか?
サポートメンバー限定
『10月はさよならの国』
読者限定
リベラルのモラルはどこにあるのか。
読者限定
Popularitéとvisibilité
サポートメンバー限定
80年目の夏に。〜世界を照らせ、理性の光
サポートメンバー限定
7月の終わりの近況報告。
読者限定
え、こんなの教えていいの?——東大で習った論文の書き方(その1)