大阪中之島美術館「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展」を酷評する。

まさに芸術の屠殺場。いしいひさいちのことばを借りれば、さすが「文化不毛の地、大阪」。しかし、根本的な問題は、自維政権、この国の文化行政にあるんだろう。。
平中悠一 2026.09.19
読者限定

昔、トレドでエル・グレコを見た時、前に日本の団体ツアーの人たちがいて、

引率の人が「はい、この絵は有名です。これは見て下さい。いいですか、1、2、3、はい、次へ行きます!」

といっているのを聞いて、仰天した。

しかし、大多数の人にとって、絵画というのはそういうものなのかもしれない。

パリのミュゼは昔からわりと写真が撮れるので、有名な絵の前では、必ず写真を撮っている人がいて、名画との「記念写真」、ツーショットを撮る人も多い(笑)

いわば、有名人を見る、芸能人に会う感覚なのだ。

しかしその気になれば、オルセーでも、ミレーの前だろうがクールベの前だろうが、ふと人が途切れ、1対1でじっと対峙できる時間がくる。

何ならマネの前に30分座って眺める、なんてことだってできた。

僕は子どもの頃から鍛えられたので(笑)

同じ絵の前で、5分や10分立ち尽くし、飽きずに眺めて、楽しめる。

しかし、ひとつひとつの絵を5分見ろ、といわれたら、退屈する人もいるだろう。人口比からいえば、そちらのほうが多いだろう。

だから、その両方が楽しめる美術館、美術展が、一番いいのだろう。

しかし今年の、大阪中之島美術館「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展」は酷かった。

空前絶後の酷さというか、まさに文化の終焉、美術の屠殺場、というほかない。

(...まぁ、あれは素晴らしい体験だった、忘れがたい、クォリティタイムだった、と思ってる人もいるだろうから、そういう人は、「酷評」ですので、スルーしてください;)

この記事は無料で続きを読めます

続きは、3833文字あります。

すでに登録された方はこちら

読者限定
シーブリーズと、壊れた⬅️キー。帰れないファーストフード屋。
読者限定
え。5.1万回表示?? ——〝YouTube奏者はなぜ自滅するのか〟
読者限定
パトリック・モディアノと8月15日
読者限定
ミシマとAI、3つの原稿
読者限定
フェデリコ、語る——W杯とファシズムのダンス
読者限定
「陰謀論」とナラティヴの関係〜物語理論から見る「陰謀論」の“無敵”のし...
読者限定
媚態とコケットリー
読者限定
「陰謀論」とナラティヴの関係〜物語理論から見る「陰謀論」の“無敵”のし...