え。5.1万回表示?? ——〝YouTube奏者はなぜ自滅するのか〟
クラシックについて今のソシャメにふつうに書くと、だいたい20-30表示で0−1ライク、というのが僕のアカウントです(笑)
それが先日、いきなり5.1万回表示が出てしまいました。
理由はもちろん不明ですが(笑)ひとつには、コメント対象がYouTubeで人気の人で、しかも辛口(というか、そのw)だったからかなぁ...と思います。
...「辛口」のためか、ライク率はかなり低く、61ライクにとどまりましたが。。
あれ。「辛口」がいいわけ??とまず思ったわけです(笑) 普段はほとんどいい演奏、これはすごい!!と思った演奏しかポストしないので。。コントラヴァーシャルな、批判的なポストがいいわけ??と。
しかし、仮にそうだとしても、「よし、じゃあ、そっちで行くか!」とはならないところが、僕のビジネスセンスのなさ、というか(笑)ポピュラリティと無縁の理由、の一反映、かもしれません;)
だいたい、自分がよくない、と思う音楽なんか一切、できれば一秒も(笑)聴きたくなんかないわけですし、クラシックもRnBもJazzもbossa novaも、主にラジオ経由で仕入れてるので;)そこには目利きのキュレーションがまず、あります。
特にクラシックを主に聴いてるラジオ・フランスの音楽局(フランス・ミュジック)なんて、まぁ、DJ(animateur とフランス語ではいいます)がいいと思わない録音なんて、ほぼ流さない。そこで大きくフィルターがかかってるわけです;)
しかし今回は、日本人の録音で、YouTubeで再生回数も回ってるので...ということで(日本人枠、YouTube枠、とでもいいますか...;)紹介された録音を、たまたまポッドキャストで聴いてしまったわけです。
フランス・ミュジックのアニマターたちも、直接貶しこそしませんでしたが、次の曲に行く時に「さぁ、親切になれますね」「今朝は、ちょっとサーカスティックでしたね」などと(いかにもフランス人らしくw)いい合っていました(笑)
それで、たまたま聴いてしまった(まさに〝しまった〟感・満載のw)この演奏。
どこがそんなに、そうなのか、、(笑)といいますと。。
なにしろ、弾いていたのはショパンです。うわー、と思ったあなた、そうなんです(笑)
ショパンなんてねぇ(と〝そもそも論〟入りますがw)もう、ふつう、高校生が弾いたって、感動しますよ(笑)
間違いながら、つっかえながら弾いたって、ほろっとくる。それがショパンです。
そして、このユーチューバーは、フランス人DJがいうのには、ショパン・コンクールのドゥミ・フィナリスト。つっかえるどころか、何の問題もなく、すらすら弾けるはずなのです。
そしてそこが、おそらくYouTubeの恐ろしさ、〝魔境〟ではないか、と思うのです。。
やや細かい話になりますが(笑)弾いているのは、ショパン、ノクチュルヌの13番、作品48-1。これが大前提です。
...つまり、〝そもそも〟ディナミーク設計が難しい曲かもしれませんが...という、譲歩ですね;)
あ。だめだ。。〝そもそも論〟の連発になりますが;)
音楽ってさ(そもそも!)フォルテ(強奏)には限界があるんですよ。フィジカルな、限界ね。だから、フォルテを「大きく鳴らす」には、、ピアノ(弱音)をいかに小さく鳴らすか、勝負は、そこにかかってるわけです(コントラスト、ですね!)
...つまり、大声出すのって、限界があるでしょ? どんなに必死にがなっても、これ以上、大きな声が出ない、っていう。でも、小声はいろいろ工夫できませんか(笑)大声をより大きく感じさせるには、いかに小声を小さく出すか。これがディナミーク(ダイナミクス)の基本だ、といっていいでしょう。
そしてそんなこと、この当該ピアニストだって、百も承知のはず。
なんたって、ショパコンのドゥミ・フィナリストですから! 類稀な才能を持つ奏者だけが、文字通り、血の滲む努力をしてはじめて辿り着けるステータスです。
13番のディナミーク設計がさ、、なーんて、釈迦に説法もいいとこ、です。
じゃあ、なんでそんな人が、こんな演奏をしてしまうのか。
この録音だけ聴いてもすぐ判りますが、才能のあるプレーヤーです。
指も回るし、アーティキュレーション(発音)もクリア。見事なもんです。
YouTubeで再生数回るクリップなんてね、みんなただの曲芸ですよ(笑)
音楽が好き、という人は多いけど、音楽がそこまで判る人は、いないから。
でも、曲芸なら、音楽が全然わからない人が見ても、判る。
野球が全然判らない僕でも、ホームラン競争なら見れば判る、というのと、同じです(笑)
音楽、楽器でいえば、どれだけ速く弾けるか。ヴォーカルだったら、どこまで高い声が出せるか(笑)これなら、誰でも判るわけです。
(ついでにいうと、日本語も、小説も、ほんとに判る人は少ないけど、ベストセラーで何万売れた、といわれると、えー、すごい!と思うのも、ちょっと違うか、まぁ、同じかもw 日本語や小説が判らなくても、そこなら誰でも判るから...;)
でも、この人は、指も回るし、発音もクリア。このままでも、十分〝曲芸〟になってるはず;)
それがこうなってしまうのはなぜなのか。
...つまり、最初にピアノ(弱音)を置いた時点で、フォルテ(強奏)のマックスは、自動的に決まります。タッチした瞬間に、勝負あった。はい、おしまい、です;)
それをどう踏ん張ったところで、自分のマックス以上のフォルテは弾けない(笑)
そして、ショパンは高校生が下手っぴに弾いても、普通に感動させる音楽。
何の作為もなく、淡々と、譜面を見たまま弾いても、ちゃんと成立するのがショパン、です。
しかもこの人は、指も回るし音もアティキュレ。すでに〝曲芸〟として、成立してるはず。
それをどうして、打ちてし止まん、もう出せない以上のフォルテを、こうして意地になって(笑)必死に出そうとしてるのか。。
それは、だから、YouTubeだから。再生数、ポピュラリテを取ろうとしてるから、だと思うんですね。
そして事実、取れると思うんですよ。だって、フォルテが出てないところに、これ以上、もうどう踏ん張っても出ないところに、必死に鍵盤叩いてるんですから!!
その必死の形相は、確実に伝わって、きゃーステキ。。とうっとりしちゃう女性はいるのかも、、と思うんですねw
でも、それは、もう音楽それ自体の力じゃない。パラテクスト、その人物の、キャラクターです。
そしてまた、やや逆説的ですが、この人が、指も回るし音もクリア、という、高い技術を持ってるから、こうなる、というのもあるでしょう。自分には、常人にできないことができる、と判ってる。だからフォルテも、頑張れば出るような気がしてる。
でも、無理ですよ(笑)
音楽は、楽器は、精神とか、心とか、つまり、根性では弾けないんです。
ピアノを弾くのは、結局、〝この指〟——この僕の、君の指でしかないんですよね。。
...まぁ、ここまで読んでいただいたら、一体どの演奏について述べてるのか、YouTubeに詳しいピアノ・ファンはもはやお判りかもしれませんが。。
こちらが5.1万回表示を〝叩き出してしまった〟その問題の、「辛口」ポストです: