ジャケット誕生—『シティポップ短篇集』編;)

完全な楽屋話。興味ない人にはホント興味ない、どうでもいい話。につき、読まれた方は、ゆめゆめ他言は無用にて。#関係者オンリー #ここだけの話 #entre_nous
平中悠一 2025.01.23
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シティポップ短篇集』のジャケットは、LAのイラストレーター、Deisa Hidalgoに描き下ろしてもらった。自画自賛、というとややヘンだが、おかげさまで、なかなかいい感じのジャケットに仕上がったのではないか、と思う。懐かしくて、新しい、まさに今回のこのアンソロジーのコンセプトにぴったりの、これしかない、という装丁になった。書名・著者名も、かなり品よく、すっきり抜いてもらった。

しかし、その完成までには、やはり紆余曲折が。まず最終的にDeisaに頼もう、ということに落ち着くまでにいろいろあって、次にDeisaとの間のやり取りも、相当分厚いものになった。2023-2024の年末年始は、とにかくひたすら英語でメールを書き続けた、という思い出しか僕にはない(笑)

日程がすでに厳しかったということもあったが、さまざまな乗り越えるべき問題、言語、国、世代、といったギャップを理解して、そこをいかに上手くまとめるか。イラストレーターのやる気を削がず、こちらの期待に応えるヴィジュアルに持っていく、つまり、いかにして1+1を3以上にするか...。そもそもこの本の「都会的」というコンセプト自体、「都会」ということばの与えるイメージが、“city”では絶対に出てこない。これが翻訳の最大の問題のひとつで、たとえば「窓の向こうに青空が見えた」とフランス語から日本語に訳したら、いかにも問題なく訳せているようだが、「窓」といって思い浮かべるものも、その向こうの「空」の色や光も、フランス人、パリジャンと日本人ではまったく違う、完全に別物なのは明らかだ。

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