マクロニズムと「力による正義」
フランスのニュースは24時間ニュース局(BFMTV)を時々つけっ放しにしたりはしますが、アメリカのニュースほど細かくフォローしていません。
というのも、アメリカで起こることは、日本にも影響が大きいが、フランスの出来事は、ぜんぜん関係ないように見えるからです。
しかし先週あたりから、さすがにフランスについて、「どうなんですか?」と訊かれることが増え(笑)うーん、どうなんだろう。。と自然、考えてしまいました;)
まず基本知識として、フランスのマニフェスタション(デモ)の一般的なパターンから押さえておくと;)
普通の年と、激しい年がありますが(笑)これは、いわばフランスの年中行事、そのたびにメトロが止まったり、ラジオ・フランスの放送もグレーヴ(スト)で、中止になったりもするのですが、
交通がほぼ完全に麻痺したり、放送が何日もなくても、まぁ、フランス人は、表面的には理解を示します。プライドの高い人たちなので(笑)イライラしてるのを表に出すのは、人間としての格が低いと認めてしまう(バレてしまうw)ことにもなるので、涼しい顔を装うのが基本です。
デモ自体も、まぁ、これも年により、参加者にもよりますが、いい時には、ほんとに楽しいお祭のよう、音楽もあり、陽気で、なにかのパレードかな...と知らない人なら思うでしょう。ちょっとついていきたくなるような感じさえ、ある時があります。
ところが、これについていくと、結局最後には——いまのように秋の、日の短い時期など、暗くなると、だんだん殺気立ってきて、暴徒化しはじめる。そして最後は憲兵隊が(フランスでは憲兵がriot policeも担当します。日本でいう「機動隊」ですね;)催涙弾を打ち始めて、お開き、解散となる。。というのが基本的な流れです(笑)
だから、催涙弾を打たれる、なんていうのは、パリで学生をやっていれば、その気になれば、毎年体験できるでしょう;)
ただ、このデモに関して、フランスのマスコミが、すごいなぁと最初に驚いたのは、常にデモと暴動を、2本立てで報道していたこと。ふたつを必ず別の問題に切り分けていたこと、です。
まず、こういう問題でこういう主張があり、こういうデモがありました、で1本きっちり終了。
で、別立てで、その後、暴徒(破壊屋 casseurs といいます)が現れて、こういう被害がありました、これでもう1本。
フランス語でいうとアマルガム(日本語なら、ミソもクソも一緒にする、とかいいますが・笑)を認めない、というのは、やはりフランスではオフィシャルには、何ごとにおいても基本、です。要するに同じ話だろ、とか端折らない。だからフランス人は理屈っぽいといわれるし、理論的だともいわれるわけです。
日本に帰ってきていたときに、たまたまnhkで国谷??とかいう司会者が、「デモなどの社会不安を生んでいます」といい放ったのを聞いたときには、だから目を丸くしましたが、
いうまでもなく、デモが社会不安を生むのではなく、社会不安があるから⇒デモが起こるわけですね。。
つい最近も、nkhではコメンテーターが同じことをいっているのを聞きましたが(別人です)、
こういう当たり前の因果関係を、うっかり間違えてしまうような人は、それ以外にどんな素晴らしいことをいっていても、性根がおかしいですから(笑)まったく信用なりません。
まぁ、だいたい、そういうのが例年、普通の年のデモだとすると、
僕がパリに転居した年も、ちょうどヴィルパンのCPEの失敗、そしてそれに先立つ、警察に追われて死んだアフリカ系の子どもたちへの抗議に端を発する(サルコジに煽られた)郊外の暴動など、世界的にも「パリは燃えているか?」と報道された年で、その翌々年はLRUをめぐり、憲兵と学生がにらみ合い校舎の取り合いをしてるパリ7にいたし、そういう激しい年も、直接経験はしています。
しかし。オランド政権ののらりくらりを経て、マクロン政権下で始まるジレ・ジョーヌ(イエロー・ヴェスト)あたりから、またちょっと別のフェーズに入ったように見える。
つまり、さっきの、普通の年/激しい年という基準から考えても、
まだ日の高いうちから、車に火が放たれる、破壊屋が雪崩を打って商店を襲う、などというのは、僕の知ってるフランスのマニフェスタシオン、社会運動の〝美風〟から、もはや完全に外れています。
なぜこんなことになってしまったのか。
...こういう書き方をすると、フランス政治の専門家や、あるいは僕がCNNを見ている勢いでBFMTVを見ている人からは、いや、それはそういうことじゃなくて...とか、いやいや、そこでこの話を飛ばしてもらっちゃ困るとか、
いろいろご叱正は出てくるのではないかと思うのですが(笑)
ここではめちゃくちゃざっくり、僕の印象で押し切ると、