え、こんなの教えていいの?——東大で習った論文の書き方(その1)
僕は18で小説を書き始めてから20年、プロの小説家をやってから、パリへ引っ越し、その後パリ大に入って文学研究をはじめました。博士課程までやって、でも結局考えがまとまらず、博士論文は書けなかったのですが、最終的には東大にまた入り直して、日本語で博士論文を完成させました。
このそれぞれ、どうして小説を書き始めたのか、どうしてパリへ引っ越して、しかも文学研究をはじめたのか、どうして結局博士論文が書けなかったのか、そして、どうしてまた東大へ入り直して博士課程を修了したのか。このどれをとっても、文庫本か、新書本1冊くらい、書くだけの話があります(笑)
もちろんそういうことも頼まれれば書きますが、頼まれなければ、自分の書きたいことだけを書きます;)
で、今回は、パリ大で学んだフランス式の論文の書き方をベースにして、東大で教わった論文の書き方の秘訣というか、コツ、みたいなことを書いてみようかな、と思います。
「え? こんなこと、みんなに教えちゃっていいの?」
と僕がビビった、東大ではフツーに教えてる、プロの物書きから見ると〝企業秘密〟(笑)
いま大学院に入って、論文の書き方がよく判らない、と思っている人にはちょっとしたヒントになるかもしれませんし、博士論文を書いていて、でももっと冴えた破壊力のある論文を書きたいんだけどなぁ、、と思っている人には、こうすればいいんだよ、というブレークスルーになる構成、つまり、学術論文の基本、〝正反合〟を遵守しながら、その則を越えていくすごく簡単な方法を書いておきます。
...いまの説明で、あ。もう判った、と思った人は、単なる読み物として読んでください;)